青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―
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「―――…ったく、変な輩に逆恨みされちまったぜ。あーあ、俺、超ドンマイじゃねえか」
「最悪」ヨウはムッとした顔でわざとらしく溜息をついた。
いや…、客観的に見て俺の方が超ドンマイだけどな。
何度も言うけど、俺、名前を悪用されちまったんだぞ?
問題が解決しても、悪評は残っちまうんだぞ?
ちょうちょう超ドンマイだろ!
とか、心の中で訴えてみたりする。
表向きじゃ「災難だったなぁ」ヨウに同情を向けた。
今のヨウに俺のことを訴えても耳には入らないだろうしな。
いやぁ、あれから大変だったよ。
指摘されたくないところを指摘された怒れたヨウは矢島達をコテンパンのフライパンにまで叩きのめそうとするし、向こうは向こうで一目散に逃げ出すし、俺は俺でヨウの怒りと周囲の目を同時並行で気にしないといけなかったし。
結局、叩きのめす前に向こうがトンズラしたから問題解決も何もできなかったなぁ。
ただ逃げ惑いながら向こうが、
「今度は真正面から勝負してやってもいい!」
とか偉そうにほざいてたから、以降俺や仲間の名前を悪用するってことはないだろう。多分。
ホンット最初から最後まで態度がでかかったよなぁ、矢島と子分達。
あいつ等、ある意味最強だぞ、最強。ヨウを此処まで怒らせられるんだからな。
俺は愚痴を零すヨウに一つひとつ相槌を打って、ゆっくりとした歩調で廊下を歩む。
時刻は1限目終わりの十分休み、1限を見事にサボった俺とヨウは何処吹く風で教室へと向かっていた。
ドドド不機嫌のヨウは、不貞腐れ気味に「授業出たくねぇ」って本音をボロリ。
サボった手前、強くは言えないけどおサボリは良くないんだぜ!
欠課を増やすと後々っ、進級に響いてくるんだからな!