青騒のフォトグラフ Vol.2 ―夜嵐の不良狩り―
今は様子を見ながら行動しよう。
涼は皆に同調を求め、怒れているリーダーにも同調を求めた。
「ぶっ飛ばしてぇえ!」
キィーッと喚いているリーダーに涼は溜息をついて、彼から同調を貰うことを諦めた。
もう少し熱が冷めてから話題を振ろう。
(……、何もなければ良いんだけどな)
副頭の懸念は、舎弟の桔平、そして蓮にも伝わっていた。
蓮は苛立っている浅倉を宥めつつ、片隅で鳴る不安の鐘に胸騒ぎを感じる。
チームに何かが起こる、その度に自分の起こした事件を思い出す。
だから不安を感じるのかもしれない。
(一度あることは二度ある。正しくは二度あることは三度ある…、か。もうあんな過ちを犯したくはないのに、なんだこの不安は)
もう過ちを犯さない、心に誓っているというのに時々自分を信じられなくなる。
蓮はもう一度窓の向こうに視線を流した。
窓の向こうには、ガラスに反射した自分の情けない姿と、着飾った夜景。
ネオンで飾っている夜景はふてぶてしい顔をして此方を睨んでいる気がした。