一途に IYOU〜背伸びのキス〜
「パパの言う“ボーイフレンド”がどういう関係を指してるのか分からないけど。
男友達かって聞きたいなら、そう。同じクラスの男子」
「それだけか?」
「それだけです」
「それにしては、随分熱心に送り迎えしてくれてるらしいな」
やけに突っかかってくるパパを振り返って、顔をしかめる。
恋愛は自由。
それがうちの家訓って言ってもいいくらい、あたしの恋を認めてくれるのに。
今の言い方だと、パパは櫻井との事をあまりよくは思ってないみたいだった。
別に、パパが櫻井を嫌おうとどうでもいいけど。
本当にただの友達なんだから。
「なにが言いたいの?」
パパはあたしの気持ちを探るように見つめてから、困り顔で微笑んだ。