一途に IYOU〜背伸びのキス〜


写真一枚ですっかりご機嫌になったパパ。
呆れながらも笑って見上げていると、パパが周りをキョロキョロして言う。


「そういえば、いつも咲良を迎えにくるボーイフレンドはいないのか?」


昨日の今日なだけに答えにくくて黙ってると、パパが顔をしかめる。


「なんだ、ケンカか?」
「そういうわけじゃないけど」
「付き合い始めは誰でもそんなものだ。
どうせ咲良が意地を張ったんだろうから、すぐ謝って……」
「っていうか、パパ。
あたし、櫻井と付き合ってないから」
「でも、毎朝迎えにきてただろう。
……まさか、あそこまでされて、あの子の気持ちに気付いていないのか?」
「違うよ。そんなに鈍くないし、第一、告白もされてるし。
……断わったけど」









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