一途に IYOU〜背伸びのキス〜
――けど。
それじゃ、足りなくて。
絶対的に、足りてなくて。
離れて痛感させられたのは、結局、椋ちゃんへの想いの大きさだけ。
離れる前から分かってた事を、また思い知らされただけ……。
そんな想いを、思い出として缶の中に閉じ込めて、次の恋愛をするとか。
想い返してもらえる相手を探すとか。
そういうのもアリなのかもしれないけど。
あたしは、叫ぶ事しかできない子供だから。
だから……せめてもう一度。
走り出す事だけ、許して。
あと、一度でいいから。
あたしに、チャンスをください。