一途に IYOU〜背伸びのキス〜
『いや……もし、葉山くんとうまくいっても、最初から泊まるだとか、そういうのはだな……』
「そんな心配、いらないし」
強く言うと、パパは少し黙った。
それから、落ち込んだ声で言う。
『……ダメだったのか?』
「分かりきってた事じゃん。
でも……最後にちゃんとお別れができたからよかったのかな。
パパのおかげ。ありがと」
『咲良……』
「今度は、絶対にパパの会社とは関係ない人を好きになるから。
こんな風に、パパに好きな人の事相談するとかイヤだし。
っていうか、こんな親子いないよ、普通」
『咲良は、ママの育て方がよかったおかげで、素直に育ったからな。
反抗期もなかったし、なんでも話してくれる。
パパの自慢の娘だよ』