一途に IYOU〜背伸びのキス〜
普通の家庭から見たら、こういう関係はおかしいのかもしれないけど。
なんでも筒抜けな関係は、イヤじゃない。
見守られてるって強く思えるから。
なんて、パパには言わないけど。
「あたし、習い事したい」
『ああ、いいぞ。咲良のしたい事なら応援する。
何がしたいんだ?』
「何でもいいから、毎日予定入れたい」
あたしが言いたい事が分かったのか、パパは『咲良』って落ち着かせるように呼んだ。
『習い事がしたいなら、反対なんかしない。
だけど、葉山くんを忘れるためだけに予定を入れたいなら、もう少し考えてからにしなさい。
第一、そんな気持ちで習うのは、先生に失礼だろ』