一途に IYOU〜背伸びのキス〜


「えっ…え、ひゃ……っ!」


わけのわからないまま、後ろに倒れこむ。
思いっきりしりもちをついたせいで、お尻がジンジンしてた。


「いった~……」


顔をしかめながら目を開けて、ようやく今の状況に気付く。

あたしは誰かに後ろから抱き締められるようにして、座り込んでいて。

お腹のあたりには、誰かの手が回っていて……背中に感じるのは、その人の体温。

あたしの耳の辺りで、はぁはぁ息を切らせてた。


それが誰かなんて、振り向かなくても分かる。

ずっと、この腕に抱き締められたくて、追いかけてきたんだから。




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