一途に IYOU〜背伸びのキス〜

「あたしは確かに子供だけど。
椋ちゃんと一緒にいるためだったら、なんでもします」


ずっと、そういう覚悟で椋ちゃんを好きだったんだから。
ここからが、本領発揮だ。

笑顔で言ったあたしに、須田さんはふぅって軽いため息をついてから笑った。


「そう。ならいいの」
「心配してもらっちゃって、すみません」
「……別に心配したわけじゃないけど。
あ、ねぇ、咲良さん名字ってなに？
お父さんはどこの部署……」
「あー……あんまり言いたくないんですけど……倉森です。
“うちの社員はみんな有能だ”って、いつも言ってますよ」
「……え、……え！？」


ポカンってした後、須田さんは目を見開いた。

そして、何度も本当かどうかを確かめた後、苦笑いして、またため息をつく。