一途に IYOU〜背伸びのキス〜


「それも問題だよね。
普通七年間も振り向いてもらえなかったら、途中で“他の人を好きになれたらいいのに”くらい思うのに。
まったくないって絶対におかしいし。やっぱ呪いだって。それ」
「人の恋心を呪いとか、失礼にもほどがあるでしょ」


笑顔を引きつらせながら言っても、みっちゃんはそれにびびったりしない。
なおも楽しそうに話を続ける。


「あれだね。櫻井を嫌ってるヤツがかけたんだよ、きっと。
咲良が櫻井に振り向かないようにずっと葉山さんだけを想い続けろ~って呪い」
「だから、人の恋心を復習の道具みたいに言わないでってば。
っていうか、そんな理由だったら直接櫻井本人にかければいいじゃん。
櫻井のせいで、あたしの椋ちゃんへの想いを呪いとか言われるのイヤなんだけど」
「櫻井みたいなタイプは恋愛で転ぶのが一番こたえるからじゃない?
咲良を通してジワジワと櫻井に嫌がらせを……」
「――その前に、俺のせいじゃねーから!」







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