一途に IYOU〜背伸びのキス〜
仕方なく黙ると、それを見ていたパパが大げさなため息をついた。
顔を上げると、苦笑いしたパパと目が合う。
『これじゃあ私が悪者みたいだな。
……しかし、葉山くん。
そんな簡単に咲良を黙らせるなんて、正直驚いたよ』
クックって笑いながら言うパパ。
なにげに失礼だけど、まだ黙っておく。
『まぁ、なんだ。
四年我慢しろって言うのは、無理を言い過ぎたかもしれないな。
咲良はともかく、葉山くんは立派な大人なんだし、四年に拘る必要もなかったのかもしれない』
そこまで言ったパパが、あたしに視線を移す。
『どうせ咲良はすぐにでもついていくって言ったに決まってる。
それを、高校卒業までは待つって言わせてくれた葉山くんになら……咲良を預けられるかもしれないな』
『え……え、それって……っ』