一途に IYOU〜背伸びのキス〜


身を乗り出した時。
それを止めるみたいにパパが真面目な顔をした。


『ただし、花嫁修業をさせる』
『え、花嫁……?』
『葉山くんには何の問題はなくても、咲良は嫁として送り出すには問題がありすぎる。
まずそれをどうにかする事が条件だ』
『条件? それさえクリアすれば、高校卒業後はあたしの自由って事?』
『そうだ。優しいだろう、パパは。
本当ならいつまでも近くに置いておきたい娘に、快く花嫁修業まで準備してやるなんて、普通なら考えられな……』
『なに、条件って』
『先に言っておくが、条件は絶対だからな。
聞いてから文句はなしだ』
『……なに、条件って』


パパは、“にっこり”笑ってるんだけど。


……なんでだろう。

イヤな予感がするのは。


その後、パパはご機嫌に条件を告げた。




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