一途に IYOU〜背伸びのキス〜


ぐっと距離を縮めた先生が、あたしの首筋に唇をつける。
暴れたけど、両手首を押さえられてる状態じゃ適わなくて……。

少しの痛みを残して、先生が離れる。
けど、組み敷かれた状態は変わらない。


「な、何して……っ、っていうか、なんで……」
「ムカついたから」


シレっとした顔で答えた先生。
そんな姿を見て、驚きでいっぱいだった頭に苛立ちが一気に駆け上がる。


「は?! ムカつく女にキスマークつける嫌がらせとか、ひねくれすぎだしっ!
っていうか、離してよ! この変態! ドS!」


足をバタバタさせながら言うと、先生は顔をしかめてからバカにしたように笑う。


「おまえ、今の状況分かってんの?
んな態度とって、このまま俺に襲われたいわけ?」
「んなわけないじゃんっ! 何をどう解釈すればそうなるわけ? ばかじゃないの!」
「あ、もしかして無理やりされるのが萌える、やばいタイプ?」
「変態は……っ、そっちでしょっ!!」
「い……っ!!」



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