一途に IYOU〜背伸びのキス〜
言ってる意味が分かって口ごもる。
付き合い始めたって事は、そういう事をする可能性があるって事だし。
パパがその辺を心配してるのは、あたしも気づいてた。
帰宅時間に今まで以上にうるさくなったし。
けど、椋ちゃんとの時間を大切にしたいっていうのがあたしの本音だから。
パパの心配がちょっとうっとうしかったりする。
そして、こんな風に大人の立場から、あたしを早く家に帰そうとする椋ちゃんが悔しかったりもする。
だって。
あたしばっかり、一緒にいたいって思ってるみたいに思えるから。
悔しいから、もう一度甘えてみようと見上げた時。
椋ちゃんが真剣な瞳であたしを見てる事に気付いた。
けど、見てるのはあたしの目じゃない。
もっと下の……首のあたり。
「椋ちゃん?」