一途に IYOU〜背伸びのキス〜


みっちゃんが見てるのは、あたしのケータイの待ち受け画面。
微笑む椋ちゃんを見ながら言うみっちゃんに、くるみパンを食べながらコクコクと頷く。

アカベコ状態。


「でしょ。あたしが他の男なんか目に入らない理由が分かるでしょ?」
「若く見えるしね。20代前半に見えるけど、落ち着いてる雰囲気あるし。
学生からすると、そういう大人っぽさに惹かれちゃうもんなんだよねー」
「……みっちゃん。ベタ褒めだけど、狙わないでね」
「狙わないよ。咲良がライバルって大変そうだもん。
友達相手でも全力で潰しにかかってくる咲良が想像できちゃうし」
「それ、その通りだとしてもちょっと失礼……」
「――なに? 全力で潰しにかかるって」


会話に入ってきたのは、パックの牛乳を手に持った櫻井。

ストローをくわえた櫻井を見上げながら、みっちゃんが薄笑いして言う。


「痴漢撃退法の話」
「え……」








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