一途に IYOU〜背伸びのキス〜


そんな好きなんだから、立場なんか気にしないでアピールしたでしょ?
ママが折れるまで、迷惑なんか考えないでガンガンいったでしょ?

自慢の情熱と根性で、どんな手を使ってでもママをゲットしたって。

そう言ってよ。


じっと見つめてると、真剣さが伝わったのか、パパは困り顔で笑った。


「パパと葉山くんは違うから、パパの話を聞いても参考にはならないよ。咲良」


パパは、あたしが言いたい事が分かってる。
あたしだって、パパと椋ちゃんが違う事くらい分かってる。


けど。

パパでさえ立場が気になって手を伸ばせないなんて言うなら。

パパの5%くらいしか、情熱うんぬんを持っていなそうな椋ちゃんがあたしの気持ちを受け入れてくれる事なんか……ないじゃない。

可能性、0.08%どころかもうゼロじゃん。


だから、すがる気持ちで聞いた。
……でも、悔しいけどパパの答えが正しい。









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