一途に IYOU〜背伸びのキス〜


「じゃあそろそろあたしにも分かるかな。17才になったし。
結婚できる歳になってから、もう一年もすぎたんだよ」


椋ちゃんが困ったように笑った。





『あたしを椋ちゃんのお嫁さんにしてね』


そうプロポーズしたのは、10才の時。
小学生からのプロポーズを受けて、椋ちゃんは微笑むだけだった。


すごく優しくて、あたしをとろけさせるようなほわほわした微笑み。
あたしの大好きな笑顔。

椋ちゃんと一緒になるためだったら、どんな事でも頑張れると思った。


例え、10才の歳の差があっても。
例え、どんなイケメンに溺愛されても、芸能人に逆ハー状態にされても。
例え――。

誰に反対されても。
何があっても。

ガッツなら、誰にも負けない。
椋ちゃんの隣は、絶対に勝ち取ってみせる。








< 8 / 342 >

この作品をシェア

pagetop