一途に IYOU〜背伸びのキス〜


だって、絶対にいつも持ち歩けるし。
まぁ、初めて見た人には必ず、“え、なにそれ!”ってリアクションされるけど。


「妹としてっていうには、なんかおかしい気がするんだよね」
「でも、妹だと思ってるって、椋ちゃんハッキリ言ってたよ」
「本当にそうなのかなぁ」


あたしだって、その疑問を感じた事はある。
その度、期待して。


でも……。
その度、勘違いだったんだって気づかされて、傷ついた。

それでも、何度でも期待しちゃうあたしもおかしいんだと思うけど。

どんだけ打たれ強いんだって話。


「妹ねぇ……」


唸るみっちゃんが、歩きながらケータイを開く。
それを見て、ママの顔を思い出した。







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