一途に IYOU〜背伸びのキス〜


  ***


「でも実際さー、どうなんだよ、10才って。だって、10も歳が離れてるってすごくね?
小学校時代が一年も重なってないって衝撃的だろ」
「うるさい、櫻井。あっち行って」
「そりゃ、今は16と26で……」
「あたし、先月誕生日だったから17」
「……そりゃ、今は17と26でナシではないみたいになってるけど、普通に考えてみ?
咲良が10才の時、あっちは20才ってさー、大学生が小5に手を出すってありえねーって」


一度警告したにも関らずベラベラ話す櫻井を、キっと睨みつける。
男のくせに、さっきからペラペラペラペラ。

男だったら無言の背中でモノを語ってみろっての。


「うるさい、櫻井。あっち行って」


さっきと同じ事を言うと、さすがに迷惑がってる事に気づいたのか、櫻井が顔をしかめる。
あたしも同じようにしかめっ面をしながら、窓の外に目を向けた。






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