一途に IYOU〜背伸びのキス〜


「え、そうなの? ……でも、好きって言ったって、年だってかなり離れてるじゃない」
「離れてても好きなの! 七年も前からずっと好きだったのに……っ!」


女の人の顔が、かすんでいく。
涙が浮かんでるわけじゃないのに……。

目の前が、どんどん見えにくくなる。


「なんであたしに何も言わないで付き合い始めるの?
なんで、一言も言ってくれないの……? なんで……こんな形で……、」


椋ちゃんの口からじゃなくて、他人から聞かされなくちゃならないの?


「なんで……」
「ちょっと……大丈夫? とりあえず、落ち着いてよ」


さっきまであたしをバカにしたように笑ってた女の人が、顔をしかめてあたしの肩に触る。

それでも動けないでいると、後ろから声がした。








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