一途に IYOU〜背伸びのキス〜


「……なんで?」
「なんでって……」
「なんで、言ってくれなかったの……?
言ってくれればよかったじゃん。
そしたらあたしだって……もっと、考えて行動したし、こんなに椋ちゃんに迷惑かけたりしなかったよ……?」


目の前も頭の中も、真っ暗なのに。
口が勝手にしゃべり続ける。

強がりの嘘ばかりを。


「あたし、椋ちゃんから見たら子供かもしれないけど……椋ちゃんの幸せ、喜べるもん……」


……嘘だ。喜べるわけないじゃん。


だって、あたし以外を好きな椋ちゃんを、どうやって喜ぶの……?







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