一途に IYOU〜背伸びのキス〜
「初恋は、実らないとか言うもんね。
あたしの初恋も……実らないんだよね?」
困らせるだけだって分かってるのに。
大人ぶって笑顔で立ち去れるほど、気持ちに嘘がつけなくて……。
迷惑だって分かってるのに、だんだんと気持ちがあふれ出してきちゃって、止められない。
こんなの、子供がだだこねてるみたいでイヤなのに。
止められない。
椋ちゃんの瞳が、少しだけ歪む。
けど……すぐに真顔になった。
まるで、感情をなくしたみたいな、そんな顔。
それが寂しくて……ぐっと唇を噛んだ。
「椋ちゃんが……この先、あたしを好きになってくれる事はないの……?」