硝子の破片
あの忌ま忌ましい男の部屋で、裸に剥かれた菜々子の姿。


生々しく結合した下半身。


部屋中に不可解な匂いが立ち込めていて、全身の血が沸騰しそうになった。


敗北感と焦燥感に駆り立てられた正樹は、菜々子を助けようとした。


男の手によって、両腕を拘束された彼女は確かに泣いていたのだ。


でも、あれは…。
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