硝子の破片
計画通り、正樹のプライドを粉々にすることにも成功した。
菜々子と祐樹が付き合っていたことについては、誤算だったとしか言いようがない。
てっきり、菜々子は正樹に惚れているものとばかり、思い込んでいた。
祐樹を傷つけるつもりはなかった。
その後、何度も激しい後悔に押し潰されそうになった。
祐樹は四つ年上の兄貴だった。
将来は父親と同じ教職に就きたいと言っているような男で、正義感が人一倍強く、誰に対しても平等に振る舞い、母親の連れ子だった春樹、つまりは血の繋がらない弟を実の兄弟のように可愛がってくれた。
その兄貴を陰で裏切っている自分。
だが気持ちを抑えることは出来なかった。
菜々子と祐樹が付き合っていたことについては、誤算だったとしか言いようがない。
てっきり、菜々子は正樹に惚れているものとばかり、思い込んでいた。
祐樹を傷つけるつもりはなかった。
その後、何度も激しい後悔に押し潰されそうになった。
祐樹は四つ年上の兄貴だった。
将来は父親と同じ教職に就きたいと言っているような男で、正義感が人一倍強く、誰に対しても平等に振る舞い、母親の連れ子だった春樹、つまりは血の繋がらない弟を実の兄弟のように可愛がってくれた。
その兄貴を陰で裏切っている自分。
だが気持ちを抑えることは出来なかった。