硝子の破片
それは連日のように、テレビのニュースで流れていた。


キャスターが原稿を読み上げる度に、春樹はこう思う。


俺はこいつらとは違うはずだ、と。


不意に、携帯電話が鳴った。


作業を中断し、着信番号を確認する。


それを見て、春樹は舌打ちしそうになった。


電話をかけてきた相手はこの世界で最も嫌いな男だった。


こんな夜中に何の用がある。


無視するべきか数秒迷って、春樹は着信ボタンを押した。
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