悪魔が笑うから






「あたしの瑛に話しかけないで」



それだけ言って、ユナは私を放した。

私は思わずケホケホと咳を何度もした。



「ああ、あと」

「・・・何?」



か細い声でそう言った。



「瑛に話しかけられても返事しないで。そして学校でももう瑛を見ないで」



そうしてユナは出て行った。

カツカツと靴音を立てながら。

・・・狂ってる。

私はユナをそう思うようになった。

異常な独占欲。束縛。

長谷川くん本人に対してはそういう身振りはないけれど・・・。


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