悪魔が笑うから



「これ」


と渡してきたのは、私の黒ピン。


「あ、ありがとう・・・!」


突然の出来事に、上手くお礼が言えなかった。


「でも、なんで?」


理由を問うくらいはできた。


「さっきぶつかった時、俺のブレザーのポケットに挟まってた。一応届ける義務があると思ってな」

「そっか」


なんだ・・・義務、か。

そうだよね、長谷川 瑛は優しさだけでこんなことしない。


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