悪魔が笑うから




しばらくして、ユナのケータイが鳴った。

マナーモードにするのを忘れてたらしく、周りの人に軽く頭を下げた。

どうやらメールだったようだ。

送られたメールを読むユナの顔をのぞき見た。

・・・なんだか嫌な予感がしたから。


そして口の端を曲げて、こう言った。



「楓、帰るって」



・・・は?


「ほら」


と見せられたケータイの画面には、受信メールの表示ページ。

一番最新のもののメールの本文を見た。



“私、今日は帰るね”




< 50 / 56 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop