HAPPY RING
 裕紀はあたしに手を貸して立ち上がらせる。

「なにがあったんだよっ!」

「…裕紀…っ…和沙が…和沙が…!」

「え?」

 もうあたし…よくわかんないっ!

 思考回路がパニックになってた。

「…和沙が…NY行っちゃうよぉ!」

 あたしのこと置いてNY行くって…。

「NY?!なんで?!」

「…happy boyは歌、ダンスの強化で2年間NY行くって言ってた…」

「…和沙っ!くそっ!」

 そう言うと裕紀は舌打ちをした。

 あたしは悔しかった。

 だって和沙はあたしより仕事を優先したんだもん。

「優っ!」
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