HAPPY RING
 和沙は手を握る力を強くする。

「いいか、俺と離れている間絶対外すな。お前は俺のもんなんだって見るたび思い出せ」

 あたしは…和沙のもの…。

「待ってて。必ず帰ってくるから。絶対に」

 絶対に帰ってくる……。 
 必ず会える…。

「…うん…。待ってる!」

 そう言ってあたしは和沙を抱きしめた。
 もうこれ以上力が入らないっていうくらい強く抱きしめた。

 和沙もあたしと同じぐらい抱きしめてくれて顔をあわせたとき、目があった。

 目が合った瞬間…和沙はすべてを奪うようなキスをした。

「…ん」

 あたしは…待ってるから。
 絶対待ってるから。

 愛せるのは…和沙だけだよ。
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