HAPPY RING
 長くて…溶けてしまいそうなキス。

「…和沙…っ…あたし…頭…変になる…」

「なってよ…」

 またキスをする。
 唇を離すと言った。

「…全部…俺のせいって言って…」

 今日はちょっと強引な和沙。

 そんな和沙にあたしは、戸惑ってしまった。

「和…沙…」

 意識がもうろうとする中、あたしは和沙をじっと見た。

 大好きな和沙を見れないとなると、やっぱ悲しい…。

「…かわいい…」

 いつもと全然違うことを言う和沙。

 その顔は、人をいつくしむ顔で…。

 付き合った当初とは全く違った。

「ずっと…俺のだから。俺の、優だから」

 そう言って、あたしの肩に頭を乗せた。

 さわやかな香水の香りがした。
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