HAPPY RING
第4章

出発

 とうとう和沙たちがNY行く日が近づいてきた。

 一般のファンはいない。

 ファンは来ないように仕向けてあるから。

 だから送りに来ているのは唯一あたしだけ。

「…じゃあね…和沙…」

「おぅ」

「…ま…待ってるから!あたし…。待ってる!」

シャラッ

 和沙はネックレスを持って笑った。

「帰ってくる。絶対に…。このネックレスに誓ってね」

 …泣くな、あたし。
 ここで泣いたら和沙はNYへ行きにくくなる。

 泣くな…。

「そうだ!チケット見せて!ちゃんとNY行きか見てあげる」

「大丈夫だよ」

 あたしは和沙からチケットを受け取り行き先を見た。
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