HAPPY RING
「いつも一人だろ?今日は一緒に帰ろうぜ?」

「うん」

 笑おうと口角を上げる優。
 でもな、それ笑うって言わねーんだよ。

 授業の最中も俺は優をちょこちょこ見てると…。

 ふと何かを思い出したように俯いたり窓際を見たりする。

 やっぱり…優は和沙のこと考えてんの?

 そんなことをしている間にも時間は過ぎて気づけば放課後。

「帰ろうぜ?優」

「うん」

 俺は…優の髪に指を通すと…。

「ねぇ、優。どっか出かけない?」

「どこに?」

「たとえば~…駅前にあるショッピングモールにでも行かない?」
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