HAPPY RING
「…でも…和沙は…いなくて…今誰といるのかわかんなくて、それで何も言ってくれなくて…」

 俺はベンチの下から優を見上げると優は涙をためながら…言った。

「…でも…考えちゃうの…和沙のことばっか…」

 ついに零れ落ちた涙。

「…優…」

 俺はずっとそばにいて落ち着かせると電車に乗って家に帰った。
 ふと横を見てると…。

「あっさり寝んなよ!」

 いとも簡単に寝る優に一票。

 好きな子が傷ついてるのに結局何もできなくて泣き顔ばっか見てるだけ…。

「拷問だよなぁ……」

 和沙…お前何考えてんだよ…。

 優のこと心配させて…。

「じゃ、明日な」
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