HAPPY RING
「ありがと」

 そう言って優は優しく笑った。

 でも、もっと心の底から笑った顔、声…聞きたいんだ。

 微笑む、じゃなくて笑った顔。

「安静にしてろよ」

「うん。わざわざありがとね」

 俺はそういうと病室を出た。

 ずっといたら俺、どうなってたかな。

 病人だし襲いはしねぇけどキスのひとつやふたつは奪ってるかもな。

 理性が飛びそうだったので俺は帰った。

 あとは夏穂に任せて。

「じゃあな」

「うん、気をつけてね?裕紀。また会えたらいいね~」

「だな、明日いる?」

「うん。優心配だし」

「俺、明日も来るよ。あと、和沙も来る。仕事終わりそうだからすぐ行くって」
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