HAPPY RING
 なんで誰もいない病室ってこんなにも寂しいのかな。

 あたしは…ひとりでいることが多かったからひとりは慣れているはずなのになんでこんなので涙、寂しさが生まれちゃうんだろう。

 弱くなったな…。

 
バタバタッ

バンッ

「優!」

 ものすごい勢いで入ってきたのは…和沙。

「か…ずさ…。なんで…ここに…」

「…はぁっ…大丈夫か?優」

 肩で息してる和沙。
 すっごく走ってきたみたい。

「はぁ…裕紀から…電話もらって…」

 裕紀から?
 あたしが倒れたって電話もらったんだ…。

「…すっごい…心配したんだよ…」

「…ごめんね…。あたし、体調管理できてなくて…」

 そういうと和沙はまだ息が荒いのにあたしに抱きついてきた。

「か…和沙?!」

「…無理すんなよ。…抱え込もうとしてたろ?…もう、無理しないで。俺のこと心配させないで…」

 まさか和沙からこんな言葉が聞けるなんて思ってなかった。
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