HAPPY　RING
「…好きだから…。俺は、優のことが好きだから…。大切なんだからさ…。俺のこと心配にさせんなよ」

　あたしは涙が溜まった目でコクンと頷いた。

「…俺さ、ずっと前から…好きって言えなくて自分にイライラしてるんだ。なんで素直に言えねえんだろうって…。素直に優のこと愛せないんだ？って」

　言葉を聞いてるとボロボロと涙がこぼれる。

　絶対あたしのこと好きじゃないって思ってた。

　だから手さえつないでくれないって思ってたの。

　でも、和沙の心には確かにあたしが存在してたんだね。

「…あたしのこと…嫌いじゃなかったんだ…」

「嫌いな奴とそんな長く付き合うわけねえだろ」

　和沙は無理してると思ってた。

「…っ…和沙…っ…会いたかった…」

「うん…。俺もだよ？俺も会いたかったよ」

　和沙もおんなじ気持ちだったんだね。

　するっと和沙はあたしの手に指を絡ませる。
　久しぶりに手、つないだね。

「…泣くなよ。しばらくはロケとかねえから。優のそばにいるから…」

「…大好き…。和沙」

「知ってる…」

　そう言ってあたしは泣き笑いの顔になった。
　初めて和沙の気持ちがわかった気がする。

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