HAPPY RING
 そう聞くと夏穂ちゃんは財布から一枚の写真を取りだした。

「…恩田 涼介…。あたしのクラスメイトなんだけど…」

 大阪の有名なハリウッド・テーマパーク。
 そこでは幸せそうに笑う夏穂ちゃん。

 ていうか、かっこいいじゃん!

「かっこいいねぇ!彼氏!」

「…そうかな?でも…優しいし、あたしのこと守ってくれるし」

 夏穂ちゃんが赤くなってる。
 こんな夏穂ちゃんが見れるなんて貴重かも!

「…夏穂ちゃんも幸せだね!」

「優に負けないくらい幸せよ!」

「あたしだって負けないよ~!」

 そう言うと夏穂ちゃんは困った顔をして、

「和沙くんがいなくて困って倒れたくせに」

 …確かにそうかもだけど…。
 今は和沙がいるから大丈夫なんだよ?

「…写メールいっぱいしてね!」

「…優こそ和沙といっぱいデートして、キス写真送りなさいよ!」

「き…っ!」

 キス?!
 全然キスしたことないのに無理だよ!

「…う~そ!デートの写真送ってね?」

「…うん!約束ね!」

 そう言ってあたしは幸せをかみしめたんだ!
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