HAPPY RING
「…そうです。今日はプライベートでいとこと来てるんです。あまり騒ぎ立てぬようお願いします」

「承知してますよ。お客様のプライバシーを守るのもスタッフの心得ですから」

 そう言ってあたしはほっと安心した。
 それにしてもいとこって言った…。

「和沙…」

「バカ。いとこって言っただけで俺の彼女なんだからな」

 彼女という響きにドキッとした。
 和沙はあたしのこと彼女として認めてくれたんだね。

「ほら、ショー始まるぞ?」

 そう言うと肩に手をまわす和沙。
 あの…ドキドキ最上階まで行ってるんですよ~!

 体中心臓になったみたいに波打つ心臓。
 ドクンドクンって……。

「…また緊張してる…。ほら、緊張すんなって…。そんなんじゃ朝言ったように身もたねえって」

 そう言ってケラケラ笑う和沙。
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