HAPPY RING
 確かに和沙は緊張しなくてもあたしが緊張してるんですよぉ~!

「見やすい席どっこかな~?」

 そして見やすい5列目に来てあたしと和沙は座った。

「ここなら見やすいし水もかかんねえだろ?」

 あたしが水かぶるの気にしてたんだ…。 
 嬉しいよね…こういうの。

「水かかったら優の髪形台無しじゃん。それに風邪引いちゃうし。まだ、6月で寒い時あんだからよ」

 只今、あたしの心はキュンと音を立てた。
 気遣ってくれる和沙なんか久しぶり…。

『それでは、ショーのスタートです!』

 それを合図に大きなシャチが一斉に泳ぎ始めた。
 白と黒の巨体が大きな円を描くように泳いでる…!

「うわぁ…!かわいいっ。すごいっ」

 そう子どものようにはしゃいでたら…。

「ぷっ…優子どもみてえ」

 うっ…。
 和沙は恥ずかしいかなぁ…。
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