HAPPY RING

観覧車

 ゴンドラにそっと足を踏み入れる。

 転ばないように和沙は手をつないでくれてる。

「では、いってらっしゃーい」

 係員の人が手を振る。

「結構おっきい観覧車だなぁ」

「だよね」

 待てよ?
 観覧車ってさぁ…ふたりっきりの空間になるっていう意味なかった?

 そんなの全然考えてなかった…。

「…あのさ…今日の優、すっげーかわいい…。洋服も、髪型も、緊張してる姿も…。だけどそんな姿、他の男にぜってー見せんじゃねぇぞ?その姿見ていいのは俺だけなんだから…」

 ドキッ

 そんな真剣なまなざしで言わないで…。
 どうにかなっちゃいそう…。

「ていうか…和沙って俺様じゃなかったよね?どうしたの?」

「ほっとけ」
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