HAPPY RING
「…優は知らねえみたいだけど…裕紀は優のこと好きだったからな…。きっと今も好きだぞ?裕紀が優の唇奪ってたらどうしようって思ってた…」

 え…?
 裕紀があたしのこと…好き?!

「え、待って和沙。嘘…、裕紀があたしのこと…!」

「…好きだったみたいだよ。でも俺のために引いてくれた」

「前からあたしが和沙のこと相談してたから?!両想いなのわかったから?」

 それじゃあ、すごいひどいことしちゃった…。
 裕紀はずっと想いを押し殺してわけ?!
 あたし、知らずのうちになんてことしちゃったんだろう…。

「…だから…。ロケの予定早めて帰ってきた。裕紀は自分じゃダメなのわかってたからな…。だから…俺は…優を泣かせないって言っといた」

「和沙…!」

「裕紀のことで泣くなよ。裕紀が悲しむ」

 でも…。
 裕紀の気持ち知って心が痛い…。

「…裕紀はそう優が泣くの願ってるわけじゃねえよ」
< 79 / 145 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop