HAPPY RING
 改めてネックレスを見た。

「和沙って…あたしの誕生日覚えててくれてたんだ」

「あったりまえだろ。彼女なんだから…」

 そう言うと顔をそむけた。

「…ずっと前から知ってた。今日だって誕生日だったからデートに誘った。今までは恥ずかしくて渡せなかったんだ…」

 今までって今まで知ってたってこと?

「俺の誕生日は…?」

「8月30日…」

「正解」

 覚えてるよ…。
 彼氏なんだから…。

「…優…その目反則…。かわいすぎ…」

 和沙を見上げて目を潤ませてた。
 今にも涙がこぼれそうで…。
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