アナタがココにいてほしい
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◆ある夏の日の出来事
イヤホンから流れる大好きな音楽。
歩きながら音楽を聞くのはとても幸せ。
ユキはリズムに乗って
軽やかなステップで歩いている。
やがてイヤホンからは
ユキをうっとりさせるギターソロが流れ始める。
でもギターソロが始まるとほぼ同時に
プツリ
と、突然音が途絶えた。
おかしいな、と思いながらユキはポケットからiPodを取り出して
コンコン
と、数回叩いた。
音楽は止まったままだ。
ユキは悔しそうにホッペタを膨らませて
長年使っていたから仕方がないと諦めた。
イヤホンを耳から外すと
街は不気味なくらい静かだった。
季節は夏だというのに蝉さえも鳴いていなかった。
ユキは街を歩いているときはいつもイヤホンをつけていたから
この静けさに少し驚いた。
それから突然
「イヤホンしながら歩くのは危ないよ」と
大学時代に付き合っていた彼氏によく言われたことをユキは思い出した。
ユキは頭を振り
思い出すまいとした。
なんで今更。
忘れろ!
忘れろ!
そっか
さっきの音楽だ。
さっきまで聞いていたあの曲が
昔よく彼氏が聞いていた音楽だということを思い出した。
ユキの彼氏はギターが上手だった。
ユキにあの曲のギターソロを上手に弾いて聞かせてくれた。
ユキはイヤホンのコードをiPodに巻きつけてから
それをそっとバッグにしまうと
彼氏との思い出が次々と甦ってきた。
できることなら忘れてしまいたかった
彼氏と過ごした日々の思い出があふれ出す。
静かすぎる街のど真ん中でユキは
棒立ちのまま。
歩きながら音楽を聞くのはとても幸せ。
ユキはリズムに乗って
軽やかなステップで歩いている。
やがてイヤホンからは
ユキをうっとりさせるギターソロが流れ始める。
でもギターソロが始まるとほぼ同時に
プツリ
と、突然音が途絶えた。
おかしいな、と思いながらユキはポケットからiPodを取り出して
コンコン
と、数回叩いた。
音楽は止まったままだ。
ユキは悔しそうにホッペタを膨らませて
長年使っていたから仕方がないと諦めた。
イヤホンを耳から外すと
街は不気味なくらい静かだった。
季節は夏だというのに蝉さえも鳴いていなかった。
ユキは街を歩いているときはいつもイヤホンをつけていたから
この静けさに少し驚いた。
それから突然
「イヤホンしながら歩くのは危ないよ」と
大学時代に付き合っていた彼氏によく言われたことをユキは思い出した。
ユキは頭を振り
思い出すまいとした。
なんで今更。
忘れろ!
忘れろ!
そっか
さっきの音楽だ。
さっきまで聞いていたあの曲が
昔よく彼氏が聞いていた音楽だということを思い出した。
ユキの彼氏はギターが上手だった。
ユキにあの曲のギターソロを上手に弾いて聞かせてくれた。
ユキはイヤホンのコードをiPodに巻きつけてから
それをそっとバッグにしまうと
彼氏との思い出が次々と甦ってきた。
できることなら忘れてしまいたかった
彼氏と過ごした日々の思い出があふれ出す。
静かすぎる街のど真ん中でユキは
棒立ちのまま。
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