好きだから。ただ、好きだから…。
そう言うと、高橋拓真は後ろを振り向き、口をちょっと歪めて、

「うん」

って言って行ってしまった。

私は真っ直ぐ家に帰った。

それからと言うもの、バスケ部を見かけると、ちょっと高橋拓真を見てしまう。
何でかは…分からない。
廊下ですれ違うと、なんか、胸の奥がくっっとするような感じになる。

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