好きだから。ただ、好きだから…。
桜がヒラヒラと舞うのが窓から見える、この教室。

「恋バナ」というもので盛り上がっているまわりの女子。

私は一人ぼっちで、窓側の席にぽつんと座って、肘を机について、桜をみていた。

「竹ノ内さーん!」

そんなかん高い声で私の名前を呼ばれたのは初めてだわ。

きずいたら私は、さっきまで「恋バナ」というものをしていた女子どもに囲まれていた。

香水だろうかー。

甘酸っぱいような匂いがする。

「竹ノ内さんってめっちゃ頭いいんだよね!」

は!?あたし、めっちゃバカなんだけど…
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