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知ってしまえば単純な筋書きだった。
丸井は吉村が脅迫を実行することを恐れて、無茶な指示に従い続けていた。
実際に吉村に、父の会社経営に口出しする権力があるのかどうかは怪しいものだ。
だが丸井は、乗らずにはいられなかった。
それが明らかな犯罪行為にまで発展しようと、自分のせいで印刷所が倒産しては、困るのは両親だ、と思っていたからだ。
こんなことはしたくないと思いながらも、吉村に何をされるかと考えれば、やめることはできなかった。
たからこそ、あえてわざと捕まりやすいような行動をして、生徒会に助けを求めたのだ。
吉村は想いを寄せる後輩にすげなくされ、ストーカーと化していた。
だがストーカー行為を行うのでさえ、自分の手を汚すことは嫌がったのだ。
彼の見た目がそれなりでも、後輩の恩田聖菜嬢が気持ちに応えなかった理由が、なんとなくわかるというものだ。