異常の兄弟
1.
都内の片隅。
人通りが少なくなった
通りにもビルが
立ち並ぶ。
黒ずんだ5階立てのビルの2階
いわゆる「漫画喫茶」と
言われる店。
その一番奥の個室に
一人の少年がいた。
個室にいるのは永羅 果。
果はゆっくりと瞼を開き
欠伸をもらした。
「...眠い。」
小さく呟くともう一度
欠伸をする。
目を擦りながら目の前の
パソコンに向き直る。
時刻は12:58。
実の弟が起こした、
あの 日常であり非日常である
アレから12時間ほど経とうと
していた。