異常の兄弟

「あ、巡来る」そう言うと
慌てた様子は一切なく
果は荷物をカバンにつめた。

荷物と言っても大した物はなく、
早々と部屋を出る。



｢ありがとうございましたー｣

適当な店員の挨拶を気にもせず
店の外へ出る。


エレベーターは丁度この階を過ぎて上に行った所だ。
待つだけ無駄 と思い果の足は自然と階段に向かう。

コツ コツ

昼の割りに薄暗い階段は
靴音が嫌と言うほど響いた。