文系男子のその後。
「坂本」
式が終わり、ぞろぞろと解散をして、帰って行く人達に紛れ、校門の辺りで煙草を咥えて居た坂本を呼ぶと、此方を一瞥して、ああ、と応えた。
「…なんでいるの」
「ごめんな 迷惑だったか?」
「いや…良いんだけど」
「今一年の仲村って奴いんだろ」
あいつの保護者みたいな感じ
実の親居ねえから、あいつ。
昔竹之内の親父に頼まれたんだよ
竹之内の卒業式見てくれって言われたけど その時竹之内とそのお袋が何処に住んでんのか分からねえし歳も分かんねえしなんだかんだやってる内にあいつは高校卒業してるし。
しかも俺と同い年だったし。
んで、今回お前が卒業するから竹之内の女だからって皆で見に来た訳。
別に義務とかじゃねえぞ?
ちゃんと祝いに来てんだぜ?
…つーか仲村って知らない?と聞かれ、首を傾げる。
あ でも 何処かで聞いたような………
「あ。去年の文化祭の女装コンテストで優勝した子だ」
「うわ、マジかよ…後でからかってやろ」
22になっても相変わらず坂本の言う事は子供だなあ、と思って居たら、引っかかる箇所があった。
「………後で?」
「ん…それはな」
あいつ4月から、加藤の、幹部補佐になんだよ。
え、16で?
早くない?
なんで組入りなんか…
ってか、